2013年11月20日水曜日

SES(Search Engine Strategies)カンファレンスがClickZ Liveに変更。その変遷。

ClickZ Live

SES(Search Engine Strategies)カンファレンスシリーズがClickZ Liveに変わるそうです。
http://sesconference.com/

SES (Search Engine Strategies)は検索エンジン業界のカリスマ編集者Danny Sullivan氏(現SMX/Third Door Media Editor-in-Chief)が1999年に創設した世界的なカンファレンスシリーズでした。現在はIncisive Mediaが運営しています。他にはSearch Engine Strategies, ClickZなどのメディア事業、教育事業などを運営しています。

検索エンジンマーケティングに特化したイベントとしては世界最大級で、1年中、各地で開催されるシリーズでもあります。なかでも毎年夏に西海岸で開催されるイベントは特に規模が大きく、検索エンジン各社からの新しい発表も多いのが特徴でした(検索エンジン各社が8月のSES San Joseでの発表に合わせて新機能を実装、という流れも一時期あったほど)。

カンファレンスには世界中の検索エンジン従事者が集まり、積極的にノウハウ共有をします。ネットワーキングイベントも盛んで、SES San Joseが開催されていた頃は、カンファレンスが終わるとGoogle本社キャンパスで行われるネットワーキングイベント、通称"Google Dance"に参加するのが参加者の楽しみの一つでした。

私自身、個人的な興味も高く、2004年あたり頃から参加し始めここ7年ほどは毎年参加し、SEOやリスティング広告の最新動向について情報収集をしてきました。

サーチとディスプレイ広告の新たな関係から見える課題--「SES San Francisco 2010」レポート
http://japan.cnet.com/news/commentary/20419585/

オンラインマーケティングは新段階「ホリスティック」へ--SES San Francisco 2011レポート
http://japan.cnet.com/news/commentary/35007023/


SES San Francisco 2012レポート:検索エンジンマーケティングから見る求められる人材像 from Go Sugihara

これ以外の過去の参加レポートを見ても、転機は2007年で、この頃からソーシャル、ディスプレイ広告/DSPあたりがカンファレンスセッションの多くのコマを占有することになります。ホリスティックな世界になってきて、検索エンジンマーケティングだけでは明らかに足りなくなってきたのです。ただ、検索エンジンマーケティングに特化したブランドでやってきたSESとしては、2007年以降は全体テーマを模索するのに苦労していたのは参加した誰もが意識していたと思います。

なので、今回のClickZ Liveという、検索エンジンマーケティングだけではなくデジタルマーケティングを幅広く取り上げるカンファレンスシリーズに変更になったわけです。
"The Global Conference Series Designed by Digital Marketers, for Digital Marketers"(デジタルマーケターによる、デジタルマーケターのためのグローバルカンファレンスシリーズ)

数年後には「今年もSES行ってきました」なんて言ってもSESでさえ知らない人も出てくるんだなと思うと個人的には少し寂しいですが、業界的には至極自然な流れだと思います。もう一方の検索エンジンマーケティングに特化したカンファレンスシリーズであるSMX(Search Marketing eXpo)はどうするか注目したいと思います。

2013年11月6日水曜日

Search Summit Tokyo 2013から

先日、Search Summit Tokyo 2013を開催しました。事務局の一人として全体企画に携わり、冒頭挨拶だけ僭越ながらやらせていただきました。多数のご応募をいただきましたが運営側の力不足もあり、今年は抽選制にさせていただきましたが、参加者の皆様、応募いただきながらご参加いただけなかった皆様、ありがとうございました。パネリスト、スタッフの皆さんもお疲れさまでした。

全体としては大変好評をいただき、また来年につながったのではないかと思います。
いくつかブログやソーシャル上でもポジティブなコメントをいただきました。ありがとうございます。

http://www.baka-ke.com/2013/10/31/search-summit-tokyo-2013-report/
http://seomyself.wordpress.com/2013/11/05/search-summit-tokyo2013-seo/
http://mousoudao.blog.shinobi.jp/Entry/26/

その中で特に取り上げて本ブログでも記録として残しておきたい部分がありました。

[雑談]情報提供プラットフォームとしてのリスティング広告
http://sem-hacks.com/blog/2013/11/05/1231/

"「他者がつくったデータベースに情報を読み込ませる技術」という点で、SEOとリスティング広告は同様なものであると言えます。"

Search Summit Tokyoのパネルセッションの中で最も本質を突いたくだり&テーマだったと思っています。ここを取り上げていただき大変嬉しく思います。

Quantum Leap的にコメントをします。

SEOであればリスティング広告であれ検索エンジンをビジネスとして活用するために理解すべきいくつかのファンダメンタルな部分というものがあると以前から思う次第です。

曲がりなりにも通信・IT業界にいると、OSI7層モデルやら、クライアントサーバーアプリケーションの三層アーキテクチャーなどを活用することが多いのですが、検索エンジンとて、所詮はITアプリケーションなわけで、上記モデルやアーキテクチャーのように層(レイヤー)に分けて考えると意外ととスッと入ってくるように思います。

クライアントサーバー型のアプリケーションは:
1. プレゼンテーション層
2. ロジック層
3. データ層
の3つで構成されるわけですが、それぞれ、検索結果(リスティング広告含む)、検索エンジンのアルゴリズム、検索エンジンのデータベースと変換することができます。

運用者はロジック層を多分に理解しないと運用はうまくいかないわけです。つまりは検索エンジンのアルゴリズムと言われる部分です。ただ、通常ですと、ITアプリケーションは自分で設計して開発するので、アルゴリズムは自分が一番理解している(はず)なのですが、検索エンジンの場合は、上記の「他者がつくった」に通ずるところで、アルゴリズムは検索エンジンが握っているわけです。

検索エンジンのアルゴリズムは当然非公開ですのでいわゆるブラックボックス。ですのでそこを最大限理解するよう努力し、対策することが肝要です。この根幹の部分は変わることはないと思われるので、SEOだったりリスティング広告の運用者が担う役割は引き続き重要性が高いと考えます。

ただ、ここで多いのが、ロジック層「だけ」を一生懸命に理解しようとするケースです。とりあえず理解するだけならまだマシなほうで、故意に誤った認識をして不正を働く人が絶えないのもこの部分だけを何とかしてやろうとするからです。

プレゼンテーション層は何をどう表現するかになりますが、検索結果や広告表現をどうするかという部分以上に、そもそものビジネスオブジェクティブがあるはずで、そこをいかに理解し、間に入って変換できているかということが大事かと思います。そういう意味ではプレゼンテーション層のさらに上位レイヤーにビジネス層というものがあると想定すると分かりやすいかと思います。

データ層は関係ないと思いがちでしょうが、そんなことはありません。データベースに入るものは?その中で検索エンジンとしてもビジネスとしても意義のあるものは?を理解することが大事です。あと、その上で言語特性を理解する必要があります。日本語は世界でも最も難しい言語の一つです。簡単に言うと、日本語の文章は言葉に分割するのがとても難しいので、今の技術では限界があります。だから検索エンジンが理解しやすい日本語とは何かを把握することが必要です(常々言っているように、「言葉を制するもの、SEMを制する」と)。SEO従事者のほうがここは意識する場面が多いかもしれません。リスティング広告従事者も、そもそも理解すべきですが、昨今の商品リスト広告のような取り組みが浸透していく中で、データベースやデータフィードの構造や活用法は運用ノウハウの中にマストアイテムとして入れないといけなくなりました。

あと、上記レイヤー以外の部分なので見落としがちですが、そもそもの検索エンジンの本質は何か?検索エンジン側が存在する意義や彼らの思惑を理解することを忘れているケースも多いかと思います。今一度、検索エンジン側の立場や視点に立って検索エンジンとは何か、を理解することは自分自身がその中で何をどうすべきかを理解するのに役立ちます。

来年もSearch Summitは開催予定です。より分科した専門セッションを設けたいと思いますが、こういった俯瞰的、本質的な議論も活発にできればと思う次第です。