2012年9月4日火曜日

SES San Francisco 2012報告


今年もSES San Francisco 2012に行ってきました。もう7-8年位は行っていますが、ここ数年はソーシャル、ディスプレイなどがハイライトされ、サーチに特化したカンファレンスとしては内容にブレが目立っていたのとサーチ単体での大きいレベルでのイノベーションの減速もあり、今後も毎年参加すべきかを自らに問う年と位置づけて臨みました。

結論から言うと今年も行ってよかったです。テーマは明確になり、カンファレンス運営側の改善もあり、とてもいいカンファレンスだったと思います。

先日2012年8月23日にTATEITOさんのDigital Marketing Tribe Summer 2012イベントでSES参加報告をしました。資料をSlideshareで公開していますので、こちらをご一読いただきつつ、少し細く説明します。


【15-16ページ】
毎年カンファレンスの大きなテーマを見つけるようにしています。カンファレンス側からは提示されませんので、セッションやExpoホール(ブース展示)からトレンドや流れをつかみ取る作業です。ここ数年はソーシャル、ディスプレイ、アトリビューションでした。今年は明確にアトリビューション、統合マーケティング、ビッグデータでした。特にビッグデータですかね。ビッグデータに特化したセッションは多かったです。アトリビューションは当たり前になっていました。もちろんイノベーター層の取り組みが日本よりは進んでいるというレベルで、皆、どうモデリングするのがいいのか?分析を行うデータサイエンティスト不足の問題はどうする?など課題となる点は同じでした。統合マーケティング(IMC)はホリスティックの流れを引き継ぐ形でした。もちろんIMCは以前からある概念ですが、メディアフラングメテーションが進む中で、いよいよ本腰入れて検討しないといけないフェーズにきたんだと思います。

【18ページ】
あるビッグデータ関連のセッションで、分かりやすいビッグデータ活用の例として紹介されていたColor Forecast。なるほどおもしろい発想です。このサイト自体、どちらかというと実ビジネスを行うサイトというよりはPOC-Proof of Concept(新しい概念や理論、原理などが実現可能であることを示すための簡易な試行)だと思いますが、ビッグデータで何ができるか、アイデアが膨らみます。
http://www.pimkiecolorforecast.com/

【22-23ページ】
ビッグデータ関連ソリューションがマーケティング分野でも既に出揃ってきていることにまず驚きました。しかもどれも非常に有用性が高そうなものばかりです。共通項としてはビッグデータ解析データにより「User Intent(ユーザーの意図)」を精度高く予測し、Relevance(関連性)の高いコンテンツや広告をリアルタイムに生成・配信し高い効果を見込むということでした。
個人的に最も有望そうに見えたのはBloomReachですね。SEOなどは大きなインパクトを受けるかもしれません。TechCrunchが分かりやすく解説してくれているのでご一読ください。
ビッグデータ分析によりページをリアルタイムで“個人化最適化”するBloomReachはSEO/SEMの未来形だ
http://jp.techcrunch.com/archives/20120222bloomreach/

【ビッグデータ関連ソリューション企業リスト】
OneSpot http://onespot.com/
DataPop http://www.datapop.com/
BloomReach http://www.bloomreach.com/
Runa http://www.runa.com/

【24-26ページ】
統合マーケティングは米国のCMOの興味があることリストの中では3番目にある。興味があり、大きな悩みである。サーチのカンファレンスなのでサーチ寄りの視点ですが、統合マーケティングの中でのSEMの価値は最も高いとのANA(Association of National Advertisers)のリサーチ結果が出てました。特筆すべき点としては取り組みの早い企業と遅い企業では結果の差が大きくなるリスクがあるということ。プロジェクトマネジメントの問題(人、プロセス)、データサイエンティスト不足の問題など課題は多いですが、着実に統合的・ホリスティックにマーケティングを実施する方向へは向かっている印象を受けました。アトリビューションは統合マーケティングを行う上での取り組みの一つということになるかと思います。

【27ページ】
カンファレンスを通じて元気そうな企業の一つにQuantcastが挙げられます。元々はオーディエンス測定およびターゲティングを専門にした会社ですが、保有する独自の豊富なデータ(優良なサイト訪問者データと大量のパブリッシャー側データ)を解析し、リアルタイムにlookalikeオーディエンスを予測しカスタムモデルを構築。そのデータを活用しRTBもできるというものです。定義済のセグメントデータではなく、機会学習型で最も効果の高いオーディエンスに近いモデルを作成していくことと、すべてはサードパーティのデータではなく自社データなので、フレッシュなデータをリアルタイムに処理できる点から効果が高いとされています。その高い効果からもCPA課金を実現していると思われます。Awareness, Consideration, Conversionの全てのファンネルで使えるPerformance Displayと言えそうです。
http://www.quantcast.com/

【28ページ】
カンファレンスの総括としては、ビッグデータがもてはやされている時代で大いに結構ですが、長年ITの世界も見てきた身としては、CRMや商品DBなどの構造化データでさえまだまだ活用しきれていない状況かと思いますので、一足飛びにビッグデータ(構造化/非構造化データ、大量、リアルタイム)には飛びつかず、まずは足元から徐々に、しかしながら積極的に攻めていくことが肝要かと思います。
あと、人の問題は本当に世界的なのだと思いました。リスティング広告に限らず、他の施策も複雑化しているのでエキスパート化は必要ですが、深堀しつつも俯瞰して施策全体を見る。「虫の目と鳥の目の両方を持つ」という表現をしましたが、本当にそれが求められる難しい時代、でもおもしろい時代だなと再認識した次第です。あと、テクノロジーは避けられないですね。テクノロジーは全てを解決しないのは自明で、テクノロジーと人がどう補完し合えるかを考えて、最大限活用できる人が求められていると思います。

【おまけ画像】
ビッグデータのセッションでおもしろいと思ったスライド。データ大爆発を毎日の1分間で起きることでまとめています。

【毎分起きること】
Google 2,000,000回のクエリー
YouTube 48時間分の動画のアップロード
Facebook 684,478のシェア
Twitter 100,000ツイート
Apple 47,000のAppダウンロード

【おまけ14ページ】
ちょっと戻りますが、今年は日中はガンガン海外の人と積極的に会話し、セッションでも質問し、セッション後に名刺交換したり追加質問したりしました。セッションは50分程度なのでサマリーでしかない場合も多く、それ以外の時間のほうが深い話が聞けます。そして色々な学びもありましたし新しいビジネスにつながったりもしました。
そして夜は日本から参加した方たち食事しながらの意見・情報交換。これが本当に貴重なんです。すべてのセッションは回りきれませんし、話し合うことで新しい視点も学べます。西海岸くんだりまできて何かを学び持ち帰ろうとする「猛者」たちですから当然話も熱くなるわけです。カンファレンス参加の最も大きな収穫の一つといっても過言ではありません。
来年も僕は参加しますので、興味を持たれた方がいましたらぜひご一緒しましょう!

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